2014年5月10日土曜日

アジアのトラブルメーカー中国(6)::南シナ海全域を覆う中国という黒い雲、手出しの出来ない東シナ海から移動?

_

●中国とベトナムの領海問題

video
video
video


ロイター 2014年 05月 9日 13:32 JST
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPKBN0DP04M20140509

焦点:南シナ海の緊張長期化も、中国の掘削強行でベトナム劣勢色濃く


●5月9日、中国がベトナム沖約200キロに石油掘削装置設置を決めたことで、ベトナムやその他の近隣諸国が劣勢に立たされている現状が明らかに。写真は2日にベトナムの船舶に放水する中国海警船。ベトナム当局提供(2014年 ロイター)

[香港 9日 ロイター] -
 中国と東南アジア諸国の間で緊張が高まる南シナ海。
 中国は同国最大の石油掘削装置(リグ)をベトナム沖約200キロの地点に設置することを決めたが、この事案はベトナムやその他の近隣諸国が中国の動きに対して劣勢に立たされている現状をさらけ出した。

 中国の石油掘削をめぐっては、領有権を争う海域で行われていることもあり、中国とベトナムが対立。
 今月になって起きた船舶衝突では、両国はいずれも相手の船舶が意図的に衝突してきたと批判合戦を行っている。

 南シナ海の南沙諸島(英語名:スプラトリー)は、ベトナムのほか、フィリピン、マレーシア、ブルネイも領有権を主張しているが、掘削現場近くの西沙諸島(同パラセル)に関しては、ベトナムのみが中国と対立している。

  外交筋によると、ベトナムは中国の西沙諸島をめぐる動きを問題視し、対話の機会を求めているものの、
 中国側は西沙諸島について、同国の支配下にあり主権も有しており、係争中ではないとの姿勢を崩さないという。

 中国の政府系シンクタンク、南海研究院の呉士存院長は
 「ベトナムが何を言っても何をしても、中国は(西沙諸島での)計画を推し進めるだろう
と語る。

■<緊張状態>

 ベトナム政府の戦略担当者らは過去2年にわたって、中国の石油リグ「HD981」建設・搬入の動きを注視してきた。

 「それがわれわれに対抗する形で使われることは、最も恐れていたことの一つだ」。
 あるベトナムの外交官はこう本音を漏らし、
 「タイミング的にも不意を突かれた」
と続けた。

 ベトナムの外交官らは、ミャンマーで今週末に開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳会議で、支援を呼び掛けると表明。
 しかし、アナリストらは、ベトナムが長期的な支援を近隣諸国や国際社会から得られるかどうかは不透明だとの見方を示す。

 ベトナムは米国などと軍事協力関係を強化しているが、領土問題をめぐり中国と対立する日本やフィリピンと違い、米国との公式な同盟関係は結んでいない。

 オーストラリア国防大学のカール・サイヤー氏は、
 「中国はベトナムの最も弱い部分に踏み込んだようだ
と指摘。
 その上で
 「自分たちの問題ではないと言う国も出てくるリスクがある。パラセルはスプラトリーではないからだ」
と付け加えた。

 また、シンガポールの東南アジア研究所(ISEAS)の上級研究員、イアン・ストーリー氏は、
 「今後数カ月は緊張状態が続くだろう。
 両国の関係は、1979年の中越戦争以来最も深刻な危機を迎える可能性もある」
と述べた。

■<国際調停>

 ベトナム政府は、中国が石油リグを設置した場所はベトナム沖120カイリで、国連海洋法条約に基づく排他的経済水域(EEZ)に属するとして、正式に抗議を行った。

 同条約は、EEZ内での漁業活動や、石油・ガス資源の探査・開発の権利を認めている。

 ベトナムの抗議を受け、中国外務省の報道官は、西沙諸島は中国固有の領土であり、石油リグは
 「完全に中国の領海内にある」
と強調した。

 フィリピンは南シナ海での中国の領有権主張に対し、国連海洋法条約に基づく調停を要求しており、ベトナム当局者も最近、その提訴に加わるかどうかについて、国際的な法学者に助言を求めているという。

 しかし、ベトナムは国際的な法体制に全幅の信頼を寄せておらず
 ロシアから最新鋭の軍艦やキロ型潜水艦を購入するなどして軍事力の強化を進めている。

 ベトナム軍関係者らは、軍事力強化の目的は中国軍と競うためではなく、中国の武力行使を抑制するためだと説明。
 最初に攻撃を仕掛けるつもりはないが、反撃の態勢は整えていると明らかにした。

 元政府国境委員長のTran Cong Truc氏は、ベトナムは
 「平和を愛する国であり、竜を目覚めさせることはしない」
と話した。

(Greg Torode記者 Charlie Zhu記者、翻訳:野村宏之、編集:橋本俊樹)


 中国解放軍海軍とことを構えて勝算のある国はアジアにあっては日本しかない。
 中国は一夜成金のサガで自分が見えなくなり少々高慢となり、少し脅しをかければ、尖閣諸島を日本が簡単に差し出すと考えてしまった。
 これはまるでアテが外れた。
 逆に日本は待ってましたとばかりに、2/3世紀間眠り続けていた温存パワーに血液を注入し始めた。
 目論見からは大幅に違った。
 最初のうちは日本の空威張りだろうと思い、尖閣を「中国の核心的利益」とまで言い切って中国は絶対に引かないから、
 「日本よ降参するのは今のうちだ!」
と圧力をかけてきた。
 ところが、この脅しが日本にまったく効かないことがだんだん分かってきた。
 それとともに、勇ましかった中国の論調は色あせるごとく後退して、
 合理性を欠いた支離滅裂な歴史論調にまで先細って
しまった。
 歴史論や言葉の強弱で動くほど現代政治はヤワではない。

 実際に、中国が軍事的な行動をおこしても日本に勝てる勝算はほとんどない。
 戦争は兵器を数を並べれば勝つというものではない。
 海軍力において日本は大きな差を中国につけている。
 それは中国自体がよく理解していることで、
 口先の脅し一本で尖閣をものにしようとした目算
が外れてしまった。
 軍事力行使などというのは日本に対しては絶対にやってはいけないことであることは分かっている。
 もし、それで中国軍が負けはしなくとも多大の損害を受けることになったら
 中国共産党の賞味期限が切れる
ことになりかねない。
 よって、
 中国としては絶対に日本と軍事対峙はしない、
ということを肝に命じている。
 しかし、「核心的利益」とまで言い切り、事を煽ってしまった今、おいそれと逃げ出すわけにはいかない。
 メンツを重んじる中国としては
 尖閣問題から逃げるには十分な大義名分が必要
になる。

 嬉しいことにそれをオバマが与えてくれた。
 アメリカは尖閣問題では完全に日本側についた。
 これによって中国は尖閣から身を引く口実を得たことになる。
 「悔しいがアメリカがバックアップする尖閣には手出しはできない
というわけである。
 さて、そこで東シナ海と尖閣諸島の代替テーマが必要になる。
 それが南シナ海であり、
ベトナムとだけ領有を争う西沙諸島(英語名パラセル)ということになる。
 東シナ海には日本という白い雲が張り出している。
 中国の対日輸出は輸入を上回っている。
 つまり中国にとって日本はお得意様になる。
 それに輸出はローエンド製品で、輸入はハイエンド製品がメインを占める。
 よって経済制裁などまったく考えられず、そんなことをしたら自分の首を締めかねない。
 つまり中国は日本に打つ手がない。
 それが黒い雲を抑えている。

 南シナ海には白い雲に見合う国がない。
 尖閣の代替であるかぎり黒雲の中国は絶対に手を引かない。
 中国にとって二度の敗退は断じて許されない。
 ベトナムとしてはいい迷惑である。
 ベトナムは中国経済に大きく依存している。
 よって中国としては
 「ガタガタ文句をいうな」
という気分になってくる。
 ベトナムが中国に依存して入る限り、この問題にベトナムの勝利はない。


ウォールストリートジャーナル 2014 年 5 月 8 日 21:33 JST
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304155604579550653192646102?tesla=y

今週末のASEAN首脳会議、中越の緊張緩和は期待薄
By Chun Han Wong
原文(英語)

 今週末10、11日に開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議では、南シナ海で高まる緊張を緩和させるために中国との多国間協議を行うべきだとの圧力があらためて強まるとみられる。
 だが、南シナ海での領有権争いの解決に向けた大きな進展は期待できないとの見方が強い。

 首脳会議は、ミャンマーの首都ネピドーで中国とベトナム、フィリピンの海上衝突のわずか数日後というタイミングで開かれる。
 安保問題の専門家はこの衝突について、戦略面、天然資源面で重要な南シナ海での紛争の深刻化を示しているとみている。

 専門家は今回の緊張の高まりで
 ASEAN諸国間の一部の溝があらわになる可能性がある
としている。
 ASEAN加盟10カ国はこれまで、南シナ海の資源に対する中国の権益拡大に対して、ばらばらな対応をしてきた。

 ベトナムとフィリピンの首脳は最も声高に発言するとみられる。
 フィリピン外務省の報道官はウォール・ストリート・ジャーナルに対して、アキノ大統領は南シナ海周辺国の行動規範についての協議を加速するよう求めるだろうと語った。

 ただ、会議への期待は大きくはない。
 ストリー氏は「今この問題が大きな進展をみせるとは予想できない」とし、「(行動規範で)何らかの合意ができるまでには何年もかかる可能性もある」と話した。

 中国外務省に対し、ASEAN首脳会議での同国への批判に対する対応について書面で質問したが回答は得られなかった。
 アナリストによると、この数年、領有権紛争が激化する中で、
 中国はASEANに対して交渉に応ずる意向を示す一方で
 ASEAN内部の分裂に期待するという両面戦略を取っているという。

 中国政府の支援を受けている南海研究院のトップ、Wu Shicun氏は
 「ASEANには10カ国が加盟しているが、中国と領有権紛争を抱えているのは4カ国だけで、このうち中国との主要な対立国はフィリピンとベトナムだけだ」
とし、
 「他の国が必ずしも一部の国の言いなりになって中国に関する無責任な発言をするとは思えない」
と語った。

 アナリストはまた、今回の緊張は、中国がこの海域で影響力を強化しようとしている米国に対抗しようとするものだと指摘する。

 7日には数十隻の中国の軍、民間の船がベトナム海上警察の船と衝突した。
 中国が石油リグを設置しようとするのをベトナムが阻止しようとしたためだ。
 フィリピン警察は同日、紛争海域で中国の漁船を拿捕(だほ)した。
 中国は通常の操業だと主張し、乗組員の釈放を要求。
 フィリピンは海洋法に従った措置だとしている。

 南シナ海は世界の貿易の半分以上の貨物が通過し、海底には膨大なエネルギー・鉱物資源があると考えられている。
 中国はその全域の権益を主張し、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイと対立している。

 中国は領有権問題を2国間ベースで解決することを望んでいるが、関係国や米国は多国間での取り組みを求めている。

 オーストラリア国防大学のカール・セイヤー名誉教授(政治学)は
 「ASEANは中国を挑発したくない。
 中国に去られるよりも交渉のテーブルに着いてもらう方がいいと思っている
とし、
 「ASEANは対立を嫌う組織だ。
 彼らが追求しているのは『ソフトなソフトな』アプローチだ」
と述べた。

 ASEANと中国は2002年、南シナ海での紛争解決のための広範な諸原則を初めて宣言。こ
 れには行動規範計画も含まれていた。
 しかし、定期的に協議を続けてきたものの、宣言の実施に関する進展はほとんどない。

 この遅々とした状態がフィリピンをいら立たせ、同国は昨年、国際海洋法裁判所に中国を提訴した。
 フィリピンはまた4月、米国のより大きなプレゼンスを認める協定を米国との間で結んだ。
 今週末のASEAN首脳会議はフィリピンとベトナムにとっては不満が残るものになるとみられている。

 シンガポールのS.ラジャラトナム国際関係学院で中国外交政策を研究するLi Mingijang氏は
 「ベトナムとフィリピンは厳しい言葉で中国を批判するだろうが、ASEANが両国を全面的に後押しすることはないだろう」
と述べた。
 また、
 「首脳会議で出てくるのは多かれ少なかれ過去数年と同じ調子のものだろう」
とし、
 「自制と対話、緊張緩和を求めるが、中国を明確に批判することはないだろう」
と話した。

 アナリストは、2年前のようにASEANが分裂するようなことは起きないだろうとみている。
 12年7月に行われたASEAN外相会議は合意に到達できず、ASEAN史上初めてコミュニケが発表されないで終わった。
 一部の外交筋は、中国の同盟国である議長国のカンボジアが中国の代わりに合意形成を妨げたとみている。
 その年の首脳会議では、ASEANは南シナ海での紛争を「国際化」しないとのカンボジアの発言に、いくつかの国が異議を唱え、再び緊張が高まった。

 今年の開催国ミャンマーも中国と緊密な関係にあるが、12年の二の舞いとなるリスクは冒さないとみられている。



イランラジオ 2014/05/08(木曜) 20:42
http://japanese.irib.ir/news/commentaries/item/45096-%E5%8D%97%E3%82%B7%E3%83%8A%E6%B5%B7%E3%81%AE%E5%AF%BE%E7%AB%8B%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8Basean%E3%81%AE%E4%BB%8B%E5%85%A5%E8%A6%81%E8%AB%8B

南シナ海の対立におけるASEANの介入要請
ホセイニー解説員



 フィリピンが、ASEAN東南アジア諸国連合の首脳会議を前に、中国との南シナ海の領有権問題へのASEANの介入を要請しました。
 アメリカの軍事・安全保障同盟国であるフィリピンは、これ以前にも、国連にこの問題を付託することで、国際的な裁判所に対して南シナ海における中国とフィリピンの問題を審議するよう要請しました。

 中国政府は、南シナ海の領有権を歴史に基づいたものだとしていますが、フィリピンなど、この海の沿岸諸国もこの海にある一部の島の領有権を主張しています。
 この問題はフィリピンなどこれらの国と中国との対立に繋がっています。
 一部の例では、この対立は二カ国の艦艇が地域に入ることで、両国の高官の激しい言葉の応酬を引き起こしています。

 かつて、地域諸国は中国と共に、経済的に幅広い協力により、この対立を脇にやり、適切な時期にこの問題を解決しようとしましたが、ここ数年、特にアメリカの新たなアジア重視戦略が発表されてから、中国とフィリピンの領有権問題が高まっています。

 実際、フィリピンはアメリカの支援を受け、南沙諸島など南シナ海の一部の諸島の領有権を主張することで、中国をけん制し、両国の対立から抜け出そうとしています。
 フィリピンの国連に対するこの問題への介入の要請と最近のASEANへの要請は、フィリピン政府が、中国との対立や南シナ海の領有権に関して考慮しているアプローチの一つとなっています。
 フィリピン外務省の報道官は、7日水曜、首都マニラで記者団に対し、
 「大統領はこの問題を考慮しており、ASEANの指導者に対してこの問題に介入するよう要請するだろう」
と語りました。
 第24回ASEAN首脳会議は、5月10日から11日まで、ミャンマーで開かれます。

 これまで、ASEAN諸国は地域諸国間の統一を維持するために、とくに中国との関係の重要性により、この問題への介入と一方への支持を控えてきました。
 しかしながらこの会議の開催は、南シナ海での石油掘削問題をめぐる中国とベトナムの対立が高まっている中で、地域諸国の懸念を増加させています。
 加盟国であるシンガポールも7日水曜の中国とベトナムの衝突を受けて、8日木曜、この地域の緊張を高める可能性のある措置を防止するよう求めました。

 南シナ海の安全保障は、石油や天然ガス資源、水産物の存在、さらには国際貿易航路があることから、東アジア、東南アジア諸国だけでなく、地域外の国々にとっても重要性を帯びています。
 しかしながら、この海域を支配するための大国、とくにアメリカの競争は、現在この地域を彼らの対立の場に変えており、多くのアナリストは地域経済にとってこの流れの継続は危険だとしています。

 果たしてASEANは「南シナ海における白雲」になれるのだろうか。
 「中国の夢」はASEANの白い雲を踏み潰していくのであろうか。




【輝かしい未来が描けなくなった寂しさ】



_