2014年5月12日月曜日

アジアのトラブルメーカー中国(8):尖閣問題の代替品、メンツを晴らすまで中国は絶対に引かない

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 尖閣問題では中国は為すところなく敗北の憂き目を見た。
 「お詫びと反省の国日本」を、それだけのものだと見誤り、
①.「寝た子を起こす」というとんでもないヘマ
をやってしまった。
 起き上がった日本は、
②.日本はアジア諸国を回り歩き、「対中国包囲網」の構築を画策
した。
 これには中国も動揺を隠しきれず、中国のアジア行脚が始まった。
 想定外、見込み外の日本の行動であった。
 くわえて、
③.中国との貿易を縮小し、それまで中国が日本のベスト1貿易国であったが、アメリカをナンバーワンに戻す
ということもやっている。
 とどめは、
④.中国から資金を引き上げ、それをASEANに回し、ASEANへの投資額が中国へのそれを上回る
という芸当までやってのけた。
 中国は巨大な消費市場であり、絶対に日本は中国から引き揚げることはないと信じきっていたのでためビックリ仰天である。
 このままいけば、日本の中国への投資は確実に年々減少するという状況になってしまっている。
 結果として、
 さまざまな脅しをかけたが、法的な合理性もなく、ただ
 「歴史的に固有の領土」という空念仏
だけに終始した。

 この安易な中国の傲慢さが
 これまでの暗黙の妥協であった『棚上げ』論まで消して
しまい、世界は完全に日本の領土という認識になっている。
 経済制裁もできず、軍事圧力もかけられず、
 ケンカを売ったはいいが負け戦さとなって引き上げるハメ
となった。 
 尖閣問題ではいいとこなしの中国
をさらけ出してしまっている。

 そのリベンジが南シナ海でありベトナムである。
 よって、ここで尖閣の屈辱を晴らすものと勇んでいる。
 尖閣の影が落ちている以上、中国の引きはない。
 尖閣ではできなかった軍事力の投入を進んで実行するだろう。
 この問題に中国の負けはない。
 なぜなら中国はいかにしても「勝つ」という決意で望んでいるからである。
 いわば、大国のメンツである。
 悔し晴らしでもある。
 尖閣でドロを塗られたメンツを洗い流さないといけない。
 おそらく中国はASEANをも踏み潰すだろう。
 よってこの問題には、ベトナムが引くしか道は残っていない。


ウォールストリートジャーナル 2014 年 5 月 10 日 21:33 JST
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304155604579554673156018900?tesla=y

中国、ミャンマーの外交に揺さぶり
By SHIBANI MAHTANI 原文(英語)

 【ネピドー(ミャンマー)】ミャンマーは、初めて主催国となった週末の東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議が軍事政権後の同国の発展を祝う場となることに期待していた。

 しかし、首都ネピドーで開催する会議は、外交面で重大な試練に直面するものとなり、
 中国とベトナムは領有権争いが続く南シナ海の石油リグをめぐって互いに一歩も譲らない構えだ

 シンガポールの東南アジア研究所の中国・東南アジア安全保障問題専門家、イアン・ストーリー氏は「ミャンマーはかなり困難な立場に置かれている」と述べた。
 ミャンマーは、共同体の現在の議長国として「ASEAN内の結束の維持」に務めるため、不当行為について、特にベトナム、フィリピンに中国への断固たる措置を呼びかける機会を与えなくてはならない。
 一方、同国に
 「北京の怒りを買う余地は全くない」
と同氏は付け加えた。

 外相会議はまた、アジアの一部同盟国のように南シナ海の領有権争いに直接かかわっていないミャンマーにとっても、対中関係で重大な局面にある中で行われている。
 2011年に軍事政権から民主化へと大きく転換して以来、ミャンマーは外交関係の多角化に動き、以前から最も親密だった中国のほかに米国や米国など西側諸国をも受け入れるようになった。

 関係の変化を象徴したのが11年のテイン・セイン大統領による北部カチン州の「ミッソンダム」の開発を中止する決断で、政府は環境面の懸念を理由にあげていた。
 総事業費36億ドルの水力発電ダムは中国の雲南省に21ギガワットもの電力を供給する計画の一環であったため、中止の決断は中国との関係悪化につながったと見るアナリストもいる。

 一方、日本とミャンマーの両国政府は前例のない規模で経済関係を築いており、日本からの投資は、特にヤンゴンから45分の場所にあるティラワ特別経済区において目立つものがある。
 日本からミャンマーへの投資は12年末から13年にかけて10倍強増加した。

 中国は、対照的に、同国への海外投資を大幅に縮小した。
 13年4月期の中国の対ミャンマー新規投資は前年度の43億ドルの約10分の1にとどまった。
 13年4月から今年1月にかけての中国のミャンマーでの投資はわずか4600万ドルだった。

 それでも、ミャンマーにとって中国は海外直接投資、貿易の面で最も重要な相手だ。

 前出のストーリー氏は、中国政府は
 「ネピドーを罰するために政府に反発する少数民族の民兵組織に兵器を供給する
可能性がある、とミャンマーがASEAN議長国を務める際に反中論調が強まった場合について述べた。
 また、中国が「経済支援や投資を控える」ことも考えられるという。

 ミャンマーのYe Htut大統領報道官は10日、ASEAN加盟国の南シナ海紛争をめぐる中国に対する圧力は「個別の二国間関係」によるものだと述べた。
 しかし、
 ミャンマーにとって中国は「大きな友人」かつ「最も重要な貿易相手」
だと同氏は付け加えた。

 「中国はその平和的な台頭が自国のみならずASEAN地域の発展と平和、安定性にとっても非常に重要だと理解している」。

 米スティムソン・センターのミャンマー中国関係専門家、ユン・スン氏は、ミャンマーはこうした紛争について中立的な立場を取る公算が大きいと見ている。
 「ミャンマーは今年、南シナ海問題によって波風が立たないようにする決意を示してきた
という。

 ミャンマーは「次のカンボジアにならないよう非公式に誓った」
と12年のASEAN議長国が領有権紛争をめぐり中国政府の立場を支持したことに言及した同氏は、一方で
 「進行役としてASEANが反中国の場にならない」
ことにも務めていると述べた。



朝日新聞デジタル 2014年5月12日04時12分
http://www.asahi.com/articles/ASG5C7K27G5CUHBI02L.html?iref=com_alist_6_04

「掘削海域に中国の戦闘機」 ベトナム海上警察副司令官

 ベトナム海上警察のゴー・ゴック・トゥー副司令官は11日、中国が掘削活動を始めた海域の上空で
 「中国の戦闘機が確認された」
と朝日新聞の取材に語った。

 副司令官によると、戦闘機は午前8時ごろ、ベトナム船の上空約800メートルを飛行していたという。
 国内メディアも、現場上空で10日と11日に軍用機が目撃され、戦闘機が含まれていたと報じた。
 掘削活動への妨害を防ぐため、中国が戦闘機を派遣した可能性があるとみてベトナム当局が確認を進めている。



東京新聞 2014年5月12日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014051202000142.html

南シナ海情勢 ASEAN自制要求 首脳宣言、中国をけん制


●11日、ネピドーで、ASEAN首脳会議の開幕セレモニーでポーズをとる各国首脳=ロイター・共同
写真

 【バンコク=寺岡秀樹】東南アジア諸国連合(ASEAN)は十一日、ミャンマーの首都ネピドーで首脳会議を行った。
 現地からの情報によると、中国船とベトナム船が衝突するなど緊張が高まる南シナ海情勢を受け、全ての関係国に自制と、武力に訴えることなく平和的解決を求めるとする「ネピドー宣言」を採択し閉幕した。

 十日の外相会議は、南シナ海の領有権を争う中国とフィリピン、ベトナムとの対立に「深い懸念」を表明。
 首脳会議で、中国に対し自制を求める強い姿勢を打ち出せるかどうかが焦点だった。
 宣言は中国の名指しこそ避けたが、中国をけん制していることは明らかだ。

 宣言は、領有権紛争を解決するため、法的拘束力のある「行動規範」の早期策定に向け、中国と協議を継続することなど、法に基づく平和的解決を目指すことの重要性もうたった。

 2015年までに域内経済を一体化させる「ASEAN経済共同体」創設に向けた取り組みを強化することも確認した。
 ミャンマーは1997年のASEAN加盟後、初の議長国。旧軍事政権時代に中国と蜜月関係にあり、中国と一定の距離を保った采配を行うかどうかも注目されていた。



レコードチャイナ 配信日時:2014年5月11日 23時41分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=87870&type=0

<南シナ海>ベトナムには優しく、フィリピンには激しく=中国の各個撃破戦略―香港メディア


●10日、香港メディア・大公網は、中国がフィリピンとベトナムに異なる対応をすることで各個撃破を狙っていると報じた。写真は西沙諸島・ウッディー島に建設された埠頭。

 2014年5月10日、香港メディア・大公網は、中国がフィリピンとベトナムに異なる対応をすることで各個撃破を狙っていると報じた。

 南シナ海情勢が一気に緊迫化している。
 中国の海底油田探査プラットフォーム搬入に対抗し、ベトナムは巡視船を出動させた。
 現在、中国公船・軍艦とのにらみ合い、衝突や放水銃の発射などの小競り合いが続いている。
 またフィリピンは中国漁船の拿捕(だほ)を発表。
 中国側は自国排他的経済水域(EEZ)内での操業だったと強く反発している。

 フィリピンとベトナム、2つの国を相手取った構えの中国だが、その対応は大きく異なる。
 フィリピンに対しては猛抗議し中国国内メディアの批判報道が大々的に展開される一方で、ベトナムに対しては報道を規制するなど抑制的な態度が見受けられる。

 この違いは各個撃破を目指す中国の戦略だと大公網は指摘する。
 中国はいまだに
 「備えのない戦はしない、勝ち目のない戦はしない。
 戦いの前に準備を重ね、勝利の条件を整えよ
という毛沢東の戦略に準じている。
 今回の南シナ海の緊張は中国による海底油田探査プラットフォームの搬入が引き金。
 つまり中国側がしかけたものであり、ベトナム、フィリピンの動きは単にそれに反応したものに過ぎない。

 中国側はその対策も十分考えていたはずで、経済的に低迷したベトナムにはこれ以上強硬手段に出る余力はないと読み切っている。
 一方、米国と新たな軍事協定を結んだフィリピンこそまず叩くべき相手だと考えている。
 そこでベトナムとフィリピンに異なる対応を見せる各個撃破戦略を選択したというわけだ。

 尖閣問題では毛沢東の言う、
 「備えのない戦はしない、勝ち目のない戦はしない。
 戦いの前に準備を重ね、勝利の条件を整えよ」
を守らず、浅はかにも
 成金の感情の高ぶりだけで仕掛けた
ため、みっともない敗北を帰してしまった。
 今度の南シナ海問題はその失敗を十分に踏まえて実行しているはずで、一時の民族意識の高揚感ではないだろう。
 二度の失敗は許されない
ために、冷静なソロバンを弾いていると考えた方がいい。
 石橋を叩いて渡る、といえる計算の裏付けがあると思える。


レコードチャイナ 配信日時:2014年5月12日 8時39分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=87895&type=0

ASEAN首脳会議閉幕、
南シナ海問題の平和的解決訴える=中国の名指しは避ける―米メディア


●11日、ミャンマーのネピドーで開催された第24回ASEAN首脳会議は、ネピドー宣言を採択して閉幕した。同宣言は南シナ海問題でASEANの団結の必要性を訴え、平和的方法によって紛争を解決するよう求めている。資料写真。

 2014年5月11日、ミャンマーのネピドーで開催された第24回東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議は、ネピドー宣言を採択して閉幕した。
 同宣言は中国を名指ししなかったものの、南シナ海問題でASEANの団結の必要性を訴え、平和的方法によって紛争を解決するよう求めた。
 ボイス・オブ・アメリカ中国語版が伝えた。

 首脳会議では、緊張の高まる南シナ海問題が重要な議題として取り上げられた。
 ベトナムは、中国の艦船がパラセル諸島(中国名・西沙諸島)でベトナムの船舶に放水したことを非難した。

 また、フィリピンも南シナ海で違法操業している中国漁船を拿捕している。
 中国はこれに対し、中国は南シナ海のほとんどの海域に主権を有していると表明した。

 シンガポールのシャンガム外相は、
 「中立とは沈黙を意味するものではない。
 我々はもう沈黙していることはできない
として、ここ数年の紛争処理がASEANの信用に影響していると述べた。

 フィリピンのアキノ首相は、2国間対話に頼ることはできないとして、国際的仲裁によって紛争を解決するよう、各国の支持を求めた。
 宣言は中国を直接名指ししておらず、一部の加盟国は中国を刺激することで政治・経済関係に影響を及ぼすことを懸念していると報じられている。

 中国外交部は10日、
 「南シナ海問題は中国とASEANの問題ではない。ASEANとの友好協力関係を破壊しようとする一部の国のもくろみに一貫して反対する」
と述べた。



レコードチャイナ 配信日時:2014年5月14日 14時45分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=88026&type=0

ASEAN首脳会議の議長声明、
中国に対抗する団結姿勢の現れ―SP華字紙

2014年5月13日、シンガポール華字紙・聨合早報は、
 「ASEAN首脳会議の議長声明、中国に対抗する団結姿勢の現れ」
と題した記事を掲載した。
 以下はその概要。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議は、南シナ海情勢に「強い関心」を示す議長声明を発表した。
 ある政治評論家は
]「ASEAN構成国が珍しく統一戦線を展開するのは、勢いを増す中国に対抗するためだ」
と指摘した。
 中国はベトナム、フィリピンと個別に海上紛争を起こし、南シナ海の情勢を急速にヒートアップさせた。
 議長声明は南シナ海情勢に「強い関心」を表明したが、中国を名指ししてはいない。

 南シナ海で中国と紛争を抱えるベトナム、フィリピン、ブルネイ、マレーシアのASEAN構成国の中で、中国との矛盾が最も激しいのはベトナムとフィリピンだ。
 両国は声明の中に中国非難の文言を含ませることに成功した。

 かつて、ミャンマーを含むASEAN諸国のほとんどが、中国との密接な政治的つながりを理由に中国との正面衝突を避けてきた。
 だが今回の議長声明の基調にあるのは、従来と完全に異なっている。

 中国外交部の華春瑩(ホア・チュンイン)報道官は北京での記者会見で、
 「西沙(パラセル)諸島は中国固有の領土であり、争いは存在せず、中国とASEAN全体の問題ではない。
 ベトナムは他の東南アジア諸国を味方に引き入れ、中国に圧力をかけようとしているが、その目的は達せられない」
とする談話を発表した。

 一方で、「議長声明はベトナムにとって“大躍進”だ」とする声もある。
 ベトナムのグエン・タン・ズン首相は首脳会議で、
 「中国には危険かつ重大な侵犯行為が存在する」
と批判した上で、
 「中国に対する怒りは、近年で最高水準にまで高まった」
と述べた。
 ベトナムメディアも首相の発言を引用し、
 「(中国の)こうした極めて危険な行為は、海上の平和と安定、安全保障を危機にさらしている」
と伝えている。

 今回の議長声明は、敏感な南シナ海の領有権問題において、ASEAN諸国が“少しばかり”強硬な姿勢を示すという共通認識に至ったことを示すものだとみる声がある。





【輝かしい未来が描けなくなった寂しさ】



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